美味しいドリップコーヒーをいれてみたい。今までよりも少しこだわっていれたい。そんな方のために今回はプロ直伝のペーパードリップコーヒーのいれ方を解説します。また、誰でも気軽に楽しめるドリップバッグコーヒーやおすすめの豆、ドリップコーヒーの豆知識を解説。プロのアドバイスを参考に、ぜひ本格的なドリップコーヒーに挑戦してみてください。

ペーパードリップコーヒー、ドリップバッグコーヒーの美味しいいれ方

監修  キーコーヒー コーヒー教室 シニアインストラクター
金井 育子(かない いくこ)

投稿日時:2018.09.10


美味しいドリップコーヒーをいれてみたい。今までよりも少しこだわっていれたい。そんな方のために今回はプロ直伝のペーパードリップコーヒーのいれ方を解説します。また、誰でも気軽に楽しめるドリップバッグコーヒーやおすすめの豆、ドリップコーヒーの豆知識を解説。プロのアドバイスを参考に、ぜひ本格的なドリップコーヒーに挑戦してみてください。

目次

ペーパードリップコーヒーのいれ方1 器具を準備する

1

ドリッパー、サーバー

ドリッパーはコーヒーを濾すための器具です。
サーバーは、抽出したコーヒーを受けるために必要な器具で、メモリが付いているので、抽出量がわかります。

今回使用した2つのアイテムは、キーコーヒーオリジナルのドリッパーとサーバーです。

Noi クリスタルドリッパー

耐熱性の高い円すい形構造のドリッパーです。ドリッパーの側面がダイヤカットと呼ばれる形状になっているため、抽出されたコーヒーがダイヤカットに沿ってジグザグとゆっくり流れ落ちます。そのため最適な抽出スピードがコントロールされ、どなたでも安定した抽出がしやすいという特徴があります。
KEY コーヒーサーバー 500ml(2~4人用)

コーヒーの抽出液が撹拌しやすい丸みを帯びた形状のサーバーです。持ちやすさを考慮した大きめのハンドル部分で、カップやグラスに注ぎやすくなっています。耐熱ガラスのみで作られており、デザインも美しいサーバーです。

2

ペーパーフィルター

抽出する際には、ドリッパーの形状に合った専用のペーパーフィルターを準備しましょう。

今回使用したペーパーフィルターは、キーコーヒーオリジナル円すい形専用のペーパーフィルターです。

3

ケトル(細口のドリップポット)

お湯を注ぐためのケトルを準備します。中にはお湯(90℃~95℃)を準備します。
注ぎ口が細いポットやケトルなどのドリップコーヒー専用器具を使用することで、お湯を注ぐ量を細かくコントロールできます。

4

コーヒー粉(豆)

お好みのコーヒー粉を用意します。
酸味を楽しみたい方は浅煎り、苦味を楽しみたい方は深煎り。バランスの良い味わいも楽しみたい方には中煎り、普通煎りが向いています。


今回使用したコーヒー粉はキーコーヒーオリジナルのブレンドコーヒーです。
VP プレミアムステージ スペシャルブレンド(中煎り)

酸味と苦味が絶妙に調和し合った深い味わいを楽しめます。口当たりがソフトなので、どなたにでも飲みやすいです。

※コーヒー業界初!2012年から7年連続でiTQi優秀味覚賞三ツ星を受賞

5

計量スプーン

コーヒー粉を入れる際に使用するスプーンです。
今回は使用したものはコーヒー専用メジャースプーンですりきり10gが量れるものですが、10gが量れるものであればご家庭にあるもので代用可能です。

6

タイマー

抽出時間を計るためのタイマーです。
ドリップコーヒーは抽出する時間によって味わいが異なります。

今回のように円すい形のドリッパーを使用する場合、2分30秒~3分で抽出することで理想的でバランスの取れた味わいのコーヒーができます。

7

コーヒーカップ

コーヒーカップは事前にお湯を入れて温めておくと、コーヒーを注いでからも温度が下がりにくく、美味しく飲むことが出来ます。

ペーパードリップコーヒーのいれ方2 抽出する

1

器具を温める

まず、使用する器具を温めます。

美味しいコーヒーをいれるためには、温度を下げない工夫をすることも大切です。器具を温める際には、サーバーの上にドリッパーを乗せ、その上からお湯を注いでください。

その後、ドリッパーを外し、お湯が入ったサーバーを軽くまわしと残ったお湯でサーバー全体を温めます。

2

カップを温める

先ほど器具を温めたお湯、もしくは事前にケトルやポットに用意しておいたお湯をカップに注ぎ温めます。

カップを温めることで、コーヒーを注いだ時に適切な温度が保てます。加えて、いれたての香りや風味を保つこともできます。

3

ドリッパーにペーパーフィルターをセットする

フィルターはドリッパーの形に合ったものを使うようにしてください。今回は円すい型のものを使用しますので、円すい型専用のペーパーフィルターを使用しています。

フィルターをセットする際のポイント

フィルターのチャック部分を折り曲げることで、きれいにドリッパーにセットできます。セットするときは、ドリッパーに密着させるように取り付けてください。

4

コーヒー粉を量り、ドリッパーに入れる

計量スプーンを使い、いれたい杯数分のコーヒー粉をドリッパーに入れます。今回はすりきり1杯で10g量れるスプーンを使用しています。多めにすくったコーヒー粉を横に振ってスプーン内の粉を平面状にします。

また、コーヒー粉を入れ終わったら、お湯の通りが偏らないようにドリッパーを少し振って表面を平らにします。

分量について

分量は、1杯分=粉10g:出来上がり量120㏄です。
今回は3人分いれるので、スプーンで3回すくい、ドリッパーに入れます。出来上がり量はカップ3の目盛りまでいれますので120㏄(1杯分)×3(人分)となります。

5

1回目のお湯を注ぐ

注ぐ直前にタイマーをスタートさせます。

2分30秒~3分で行うとコーヒーの味がバランス良く抽出されると言われています。

1回目のお湯は「お湯を注ぐ」というよりも乾いたコーヒー粉に「お湯を染み込ませる」というイメージを持つことが大切です。

1回目のお湯の注ぎ方

内側から円を描くようにコーヒー粉にお湯を染み込ませます。ポイントはお湯を少しずつ、丁寧に注ぎ、染み込ませることです。コーヒー液がサーバーにポタポタと落ちてきたら、ドリッパーに注ぐお湯の量もポタポタと減らしていきます。外側に近づくにつれてコーヒー粉の量が少なくなっているので、それに合わせてお湯を注ぐ量も減らしていきましょう。イメージとしては、ケトルの先から水滴を落とすように、乾いた部分がなくなるよう外側に向かって注いでください。
この「ドリッパーにお湯を染み込ませる」という過程は、抽出時のコーヒーの味わいを決める大切な部分なので、丁寧に行ってください。

湯量や時間はお湯を注ぐ度に気にした方がいいの?

もちろん湯量や時間を気にするのはコーヒーの理想的な味わいを出すのに大事なポイントですが、最初はお湯の注ぎ方やお湯を注いだ後のコーヒー粉の様子を観察するところから始めましょう。お湯を注いだ直後、今回のコラムでご紹介するポイントのようにキラキラした泡がしっかり出ているかどうか、お湯を注ぐタイミングを見極めることが大切です。

6

蒸らす

1回目のお湯を注ぎ終わったら、20秒ほど蒸らしましょう。

表面にキラキラした泡が見えてきたらしっかりとお湯が浸透した印です。だんだんと泡が消えていき、ボソボソと穴が開いてきたら蒸らす過程が充分にできたことになります。

7

2回目のお湯を注ぐ

2回目のお湯はたっぷりと多めに注ぎます。最初にお湯を注ぐ位置を中心にしっかりと決め、ドリッパーの中心に500円玉程の大きさの円を繰り返し描くようなイメージで注いでいきます。

泡がフィルターの端まで広がったら、一旦お湯を止めます。
ドーム状に膨らんでいた泡が、だんだんとくぼんできます。この動きが止まる前に次のお湯を注ぎましょう。

美味しいドリップコーヒーをいれるコツ

泡がなくならないうちに次のお湯を注ぎます。理由としては、抽出が促されやすくなるためです。泡が残っていることでお湯の通り道が複数でき、ドリッパー内にまんべんなくお湯が染み渡るので、バランスの取れたコーヒーの味わいを出せます。
また、新たに泡を出すことは難しいので、泡が消えてしまう前に次のお湯を注ぐことを心がけましょう。

8

3回目のお湯を注ぐ

2回目にお湯を注いだ際のやり方を意識して、3回目も注ぎます。最初にお湯を注ぐ位置を決めて、ドリッパーの中心に500円玉の円をクルクルと描いていきましょう。表面に泡がまんべんなく広がったらお湯を止めます。
中心が膨らんで少しずつくぼんできます。この動きが止まってしまう前に次のお湯を注ぎましょう。 今回は3人分(360㏄)のコーヒーをいれるので、サーバーの3のメモリにコーヒー液が到達するまで、だいたい4~5回に分けてこの動作を繰り返します。

9

カップに注いでできあがり

人数分のコーヒーをいれ終わったら、タイマーを止めます。ドリッパーは、お湯が残っていてもメモリまでコーヒー液が到達していたら、サーバーから外してください。

最後にサーバーからカップにコーヒーを注いでできあがりです。

カップに注ぐ前に

抽出してすぐのコーヒー液は上下で濃度が異なるので、サーバーを軽く回して均等にさせましょう。もしくはスプーンで軽く混ぜるのも良いです。カップは温めるために入れておいたお湯を捨て、タオルなどで水気を拭き取りましょう。

お湯を注ぐタイミングが合っていたか確認するには

抽出し終わったドリッパーの表面に泡が残っているのが見えたら、お湯を注ぐタイミングが間違っていなかったことになります。

アイスコーヒーにしたい場合

アイスコーヒーにしたい場合は、アイスコーヒー用のコーヒー豆・粉(深煎り・極深煎り)を準備します。お湯の注ぎ方はホットコーヒーの場合とほとんど一緒ですが、しっかりとした味を出すためによりゆっくりとこの動作をするのが大切です。

またいれた後に、たっぷりの氷で急冷を行います。急冷は香りを封じ込め、透明度のあるコーヒーを楽しむために重要な手順になるので素早く行う必要があります。

アイスコーヒーの美味しいいれ方について詳しくはこちら

ドリップバッグコーヒーのいれ方1 器具を準備する

1

ドリップバッグ

お好みのドリップバッグをご用意ください。

ドリップバッグはとても気軽にコーヒーを楽しめるアイテムです。前から気になっていたものを飲み比べてみるなど様々な楽しみ方ができます。


今回使用したものはキーコーヒーオリジナルのドリップバッグ「ドリップオン」です。
ドリップ オン ロイヤルテイスト

心地よい苦味と深いコク。芳醇な香りが決め手のブレンドコーヒーです。

2

ケトル

ドリップバッグにお湯をいれるためのポット、ケトルを用意します。中には、90℃~95℃のお湯を準備しましょう。ペーパードリップのようにお湯の注ぎ方を意識しなくても大丈夫なので、いつもおうちで使っているもので代用してください。

3

カップ

普段おうちで使っているコーヒーカップ、お気に入りのカップなどで大丈夫です。
どのようなカップでもドリップオンコーヒーを楽しむことができます。

高さのないカップだとドリップバッグが浸かってしまうのが心配

ドリップオンでは例えカップの底に付いてしまってもイヤな苦味や雑味が出ることはないので心配しなくても大丈夫。
「やっぱり気になる」という方は大き目のカップを使用してください。

ドリップバッグコーヒーのいれ方2 抽出する

1

ドリップオンを開け、カップに取り付ける

小分けにされたドリップオンを袋から出し、両サイドに付いている茶色いつまみを内側に折り込みます。
これでカップに取り付けられるようになりました。

2

1回目のお湯を注ぐ

出来上がり量140㏄が目安となります。1回目は、コーヒー粉に浸み込ませる様にゆっくりお湯を注ぎましょう。大さじ1杯程(15㏄)の量になります。

ペーパードリップ同様、ドリップオンも1回目のお湯を注ぐ際には、丁寧に少しずつ注ぎます。

3

蒸らす

1回目のお湯を注いだら、10秒ほど蒸らします。

蒸らすことでコーヒーの味わいと香りが、より引き立ちます。だんだんとコーヒーバッグが膨らんで、泡が出てくるのがわかると思います。泡がくぼんできたら次のお湯を注ぐタイミングです。

4

2回目のお湯を注ぐ

2回目はフィルターのふちまで泡がドーム状に盛り上がるまで注ぎます。次にお湯を注ぐタイミングはドーム状の泡がくぼみ切る前に入れることを意識すれば大丈夫です。

このような工程で、大体蒸らしを入れて3回ほどお湯を注ぐとドリップオンでいれたコーヒーが抽出できます。

5

コーヒーバッグを取り外して、完成

1杯分のコーヒーが抽出し終わったら、ドリップオンを絞らずにカップの上から取り外します。コーヒーが抽出されるまで、わずか1分ほどでできあがりますので、場所を選ばずとても気軽に楽しめます。

ドリップオンの特徴

今回使用したドリップオンは開けた時の香り、お湯を注いだ時の香り、飲む時の香りと3段階の香りを楽しめます。通常ドリップコーヒーは2分30秒~3分で抽出しますが、ドリップバッグだと1分ほどで完成する様に作られているのでとても簡単。さらに専用の器具を使わないのでドリップが初心者という方に気軽に楽しめておすすめです。

また、お湯が通るフィルターには不織布(ふしょくふ)という素材が使われています。お湯を注いだ際のコーヒーの油分を吸収してからでないとフィルターを通らない仕組みになっており、これにより「蒸らす」という工程が可能となっています。そのため、ドリップコーヒーに近い香りを楽しめます。 簡単に本格的なレギュラーコーヒーをいれられるので、旅行先に持って行くのもおすすめです。

ドリップコーヒーの知識1 豆の選び方、保管方法

品質の良いコーヒー(豆・粉)の選び方

アイスコーヒーにしたい場合は、アイスコーヒー用のコーヒー豆・粉(深煎り・極深煎り)を準備します。お湯の注ぎ方はホットコーヒーの場合とほとんど一緒ですが、しっかりとした味を出すためによりゆっくりとこの動作をするのが大切です。

またいれた後に、たっぷりの氷で急冷を行います。急冷は香りを封じ込め、透明度のあるコーヒーを楽しむために重要な手順になるので素早く行う必要があります。

アイスコーヒーの美味しいいれ方について詳しくはこちら

コーヒー豆(粉)を買う時には「量り売り」、「袋入り」、「缶入り」どれを選べばいい?

量り売り(豆)の場合
量り売りの場合は、コーヒーに詳しい販売員さんがいます。その時の限定豆に出合えたり、おすすめのコーヒー豆を教えてもらったり、コーヒーに関する情報をその場で知れる事ができたりします。また、使用する器具や飲み方によってどんな煎り方の豆が向いているのか、豆の挽き方はどうしたらいいのか、理想に近い味わいを出せるように色々手伝ってもらえます。量り売りの場合は、粉で売っている場合もあります。挽きたてを飲みたい方は豆で、自宅にミルがない方や挽く手間を省きたい方は粉で購入するのが良いでしょう。

袋入り(豆)の場合
袋入りでは、量販店などで自分好みのコーヒー豆を気軽に選ぶことができます。パッケージには、生産国や味の特徴、いれ方の目安等が表記されていますので選ぶ時の参考にしてください。メーカーによってパーケージ技術や方法が異なりますので、包装形態をよく見極めて選びましょう。

缶入り、袋入りコーヒー(粉)の場合
既に挽いて粉にしてある缶入り、袋入りコーヒーの場合、手間なくすぐにいれる事ができるという特徴があります。挽いてあると香りが弱いのでは?と心配される方もいるかもしれませんが、近年はパーケージ技術の向上により香りが維持できる商品も多くあります。さらに粉の、粒が揃っているので安定した味わいを出すことができます。

このように売り方に違いはあっても、それぞれ特徴を持ち合わせています。選び方のポイントは「どのようにコーヒーをいれたいのか」ということ。ここが定まると豆選びもさらに楽しくなりますよ。

焙煎での味の違いとは?

焙煎の深さ 特徴
浅煎り 苦味はほとんどなく、軽い酸味を感じられるのが特徴。
軽い口当たりが好きな方や酸味を楽しみたい方に向いています。
中煎り(普通煎り) コーヒーの味をバランス良く楽しむことのできる煎り方。
しっかりした香りを楽しむこともできれば、酸味や苦味も味わうこともできます。
深煎り 香ばしい香り、味わいが楽しめる。
モーニングコーヒーや食後のコーヒーに向いています。
そのまま飲むよりも、ミルクを使ってカフェオレにするのも良いです。

コーヒーは焙煎の違いで口当たりや味わいが変化します。焙煎の種類を大きく分けると、浅煎り、中煎り(普通煎り)、深煎りとなります。

煎りの深さってこの他にもあるの?

実は細かく言うと、煎りの深さは8段階あります。ですが、これはお店によって表示の仕方が違う場合があるので、細かく区別するのは難しいです。そのため、焙煎の深さというよりも酸味と苦味どちらが自分に合っているか大枠で考える方が自分好みの豆と巡り合えるチャンスが広がります。

豆の保存方法や保管場所

コーヒー豆はどうやって保存するのが適切?注意点は?

コーヒー豆は酸素と温度変化、湿気がとにかく苦手です。温度が10℃上昇すると劣化が2倍早くなり、20℃変わると4倍にまで劣化速度が上がってしまいます。日差しの当らない調味料を保存している様な場所にしまうなど常温で保存することを心がけましょう。

冷蔵庫に保存するのはおすすめしません。冷蔵庫にはいろいろな食材が入っており、コーヒーがにおいを吸収してしまう恐れがあるからです。その他にも、オーブンや電子レンジなど電化製品の熱の影響を受ける側に置くのも避けましょう。使用中の熱により、コーヒー豆にストレスを与えてしまいます。
もし、冷凍保存する場合は、使用前にしっかりと常温に戻しましょう。コーヒー抽出時に温度を下げてしまう原因になるので注意が必要となります。

コーヒー豆の保存期間は?美味しく飲めるのはいつまで?

開封後、コーヒー豆の場合は3~4週間、コーヒー粉の場合は2週間が美味しく飲める期間となっています。これはあくまでも目安で、開封後は酸素に触れて酸化がすすみ、湿気や温度変化によって劣化が早まると、美味しく飲める期間はどんどん短くなってしまうので注意しましょう。
また、香りも1つの判断基準になります。コーヒーの良い香りがするうちは美味しく飲むことができます。

ドリップコーヒーの知識2 抽出時間、温度、水

抽出時間について

理想の抽出時間ってあるの?時間を見誤るとどうなるの?

コーヒーの抽出は2分30秒~3分で行うとバランスの取れた味わいを出すことができると言われています。

抽出を早くやりすぎてしまうと、酸味の成分だけが溶け出してしまいます。また、抽出後、温度が高いうちは香り立ちも良いですが、温度が下がってくるとコーヒーの味が感じられなくなります。これは「抽出不足」と言い、なんだか物足りない、コーヒー感の弱い味わいになってしまいます。

また、時間をかけすぎてしまった場合、好ましくない苦味が出てしまい、口当たりが悪くなってしまいます。このように苦味が強いと感じる時には3分を過ぎてしまったことや、他にもお湯を注ぐタイミングが合わなかったことなどの要因が考えられます。

お湯の温度について

抽出時のお湯の温度はどれぐらいにするべき?

お湯は約95℃~90℃前後が適温と言われています。この温度を守ることで、酸味、苦味、香りがバランス良く溶け出します。温度を見分けるポイントとしては、お湯が沸騰したのを確認したら、火元を一番弱くすること。湯の表面のボコボコと踊るのが落ち着くこと。この方法だと温度計がなくても判断がしやすいです。

ケトルやポットの注ぎ口からお湯が飛び跳ねる程の高温でコーヒーを抽出するとイヤな雑味が非常に出てしまうため、蓋を開けて蒸気を逃がしお湯の表面が落ち着いてから注ぎ始めてください。 また、温度が低く過ぎると香りが弱く、物足らない風味になってしまうので気を付けましょう。

コーヒーが美味しいと感じられる温度ってあるの?

これに関しては、「熱々のコーヒーが好き」という方もいればそうでない方もいるように飲み頃の温度は人によって違います。ですが、コーヒーの温度の移り変わりでフレーバーや口当たりも変化していく特性はあります。温度が高いと苦味を感じやすく、湯気も立っていますので、コーヒーの芳醇な香りが楽しめます。飲み頃になってくるとそのコーヒーが持っている味わい(主に酸味、甘み)が楽しめます。少しぬるくなってくると、柔らかい味わいへと変化していきます。
このような味の変化は、抽出時に適温(90℃~95℃前後)でしっかりコーヒーをいれているためできることです。抽出する際のお湯の温度を守れば、コーヒーをいれてからの温度変化で様々な味わいを楽しむことができます。

使用する水について

水の種類でコーヒーの味が変わる?

水には軟水と硬水という種類があります。水単体で飲んでも味に違いが見られるので、どちらの水でコーヒーを抽出するかによっても風味が変わります。

日本で飲まれている水は弱軟水です。日常生活でも使われていて、飲みなれているという点でも日本でコーヒーをいれるなら軟水を使用するのが適しています。水分中の成分も少なく、コーヒーの成分が溶け出しやすいというメリットもあります。コーヒーそのものの味わいを楽しむことができます。

硬水にはミネラルやマグネシウムなどの成分が多く含まれているため、口当りとしては少々癖のある独特な味に感じられます。軟水とは違い様々な成分を含んだ硬水はコーヒーの味が溶け出しにくく、特に中煎りや普通煎りのコーヒーはしっかりとした味わいを感じられません。また、浅煎りのコーヒーだとほとんど味がわからないコーヒーになってしまいます。理由は、コーヒー抽出時にミネラルやマグネシウムがコーヒーの通り道を塞いでしまうためです。
硬水でコーヒーをいれたい場合には、深煎り豆を選ぶと比較的コーヒーの味わいが出ます。
硬水を使用する場合、お湯を沸かした後はポットに水垢や湯垢が付きやすいので注意が必要です。

水道水を使っても大丈夫?

コーヒーをいれる際には、水道水を使用するのが一番理想です。日本の水は弱軟水のため、舌馴染みも良く、コーヒーの成分も溶け出しやすいので香りを楽しむ飲み物ととても相性がいいです。
ですが、塩素が強い時期や水道管の劣化でサビ等の影響がある場合には、活性炭の入ったろ過装置を取り付けるとコーヒーの風味が一層楽しめますのでおすすめです。

ペーパードリップコーヒーの器具紹介

フィルターの種類について

ペーパーフィルターは好きなものを選んでいいの?

ペーパーフィルターは使用するドリッパーの形状に合わせて使用します。今回はドリップコーヒーをいれる際、円すい型のものを使ったので、フィルターも円すい型のものを使用しました。
ドリッパーには台形型のものもあります。また、フィルターには文字での表記ではなくドリッパーの形が記載してあることもあるので、フィルター購入時には良く確認しましょう。

ペーパーフィルターには白と茶色があるけど、どのような違いがあるの?

白いフィルターは酸素漂白が施されていて、茶色いフィルターは未漂白ものになります。どちらもコーヒー専用フィルターとして、処理されていますので、紙臭さ等はありません。お好みで選んでください。
ペーパーフィルターはにおいを吸収しやすく、湿気にも弱いので、保存する際にはチャック付きの袋や未使用のタッパー、陶器の入れ物に入れて保管することおすすめします。

フィルターの種類にはペーパーの他に金属製、布(ネル)があるけど、コーヒーをいれた時に味の違いはあるの?

金属製のフィルターは、ペーパードリップに比べて目が粗いため、「コーヒーオイル(油分)」が抽出されます。
金属製のフィルターは、紙製のフィルターのように、油分が紙に吸収されないため、コーヒーの油分を楽しむことができます。また、ペーパーフィルターに比べて目が粗いので、微粉が一緒にドリップされます。風味としては、フレンチプレスを使ったコーヒー抽出法に似ています。

フレンチプレスとは?いれ方についてはこちら

また、布でのドリップ(ネルドリップ)はコーヒー抽出時に弾力のある布を使用することで、お湯を注いだ時にもコーヒー粉がうまく分散し、ストレスをかけずにいれられます。そのため、抽出効率が良く、丸みのある味わいになります。

ネルドリップとは?いれ方についてはこちら

ドリッパーの形状による味の違い

ドリッパーの形状は大きく何種類に分けられる?

大きく分けると円すい型と台形型の2種類に分かれます。
円すい型はある程度の高さがあるので、液体の抜けが早いです。そのため、少ない湯量でも浸透しやすく、蒸らしやすいのが特徴です。たとえ、1杯分しかコーヒーを入れなかったとしても湯だまりができず、過剰抽出になりにくい形状です。
円すい型のドリッパーでコーヒーを抽出する際は、「お湯を入れる速度を一定にする」ことに集中すればバランスの取れた味わいを出すことが可能です。

台形型のドリッパーでは「ドリッパー内でお湯を対流させる」ために「中心でお湯を上下して、外側に向けてゆっくり一周する」注ぎ方をします。流速が、中心と外側が異なるため、このお湯のコントロールが難しく、一定の湯量をキープしながら注ぐには、習得するのに練習が必要になります。味わいは、コーヒー液が溜まりながらサーバーに落ちていくのでしっかりとした濃度のある風位を感じられます。円すい型のドリッパーに比べて理想に近い味わいを出すのが難しいです。

コーヒーの味はどっちで決まる?ドリッパーorお湯のコントロール

ドリッパー 抽出にかかる時間 特徴
円すい型 2分30秒~3分 ・スッキリとした味わい
・初心者の方でも比較的理想の味わいを出せる
台形型 3分 ・しっかりとした飲みごたえのある味わい
・お湯のコントロールが難しい

使用する器具が変われば、お湯の注ぎ方にも違いが生まれるので、一概にどちらを選べば美味しいコーヒーをいれられるとは言えません。
もしも、好みの味わいが決まっているならば、ドリッパーを選ぶ際のヒントにはなります。例えば、スッキリとした味わいを楽しみたいなら円すい型のドリッパーを、しっかりと飲み応えのあるコーヒーがお好みなら台形型のドリッパーがおすすめです。

ドリップコーヒーにこだわってコーヒーをもっと楽しんでみましょう

ドリップコーヒーは、コーヒーと器具を揃えれば、どなたでもいれることができます。お湯の注ぎ方やタイミング、コーヒー粉の泡の出方など観察をすることが大切です。それから、実際に自分で飲んでみていれ方を振り返ってみる。次にコーヒーをいれる際にはまたレベルが上がっているはずです。 ドリップコーヒーは、コーヒー豆、ドリッパー、フィルター、注ぎ方等をお好みで組み合わせることによって、あなただけのコーヒーができあがります。試行錯誤することで、コーヒーを「いれる」プロセスも楽しめるはずです。ぜひ、貴方だけの最高の1杯をドリップコーヒーでいれてみてください。

記事監修

金井 育子(かない いくこ)

  • ・キーコーヒー コーヒー教室 シニアインストラクター
  • ・キーコーヒー コーヒースペシャリスト上級資格
  • ・J.C.Q.A(全日本コーヒー検定委員会)認定
     コーヒーインストラクター1級
  • ・各種専門学校、カルチャースクールの非常勤講師
1985年入社、コーヒー教室配属。講習アシスタントとして、コーヒー業界のキャリアをスタートさせる。
1993年から、15年間にわたり首都圏の主婦を対象に行ったコーヒー教室の企画では、約300回開催、累計4,500名以上に講習を行った。
キーコーヒーが定期的に行っていた、喫茶開業者向けの講習は、1994年に講師として勤め、さらに99年からは調理製菓各専門学校の非常勤講師も担当している。
2008年にはコーヒーセミナーとして一般の方が受講できるようにカリキュラムを変更するなど、様々な方にコーヒーのおいしさと楽しみ方を、講習を通じて伝え、活躍の場は絶えない。

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