熟練のマスターが渋い表情でコーヒーをいれている。そのときマスターが手に持っている...

いつかは挑戦してみたい、もっともおいしいコーヒーのいれ方!?

熟練のマスターが渋い表情でコーヒーをいれている。そのときマスターが手に持っている布製の袋。それがネルフィルターと呼ばれる器具です。そしてこのネルフィルターを使ってコーヒーをいれる方法を、ネルドリップと言います。そもそも「ネル」とは何かというと、表面を起毛させた柔く軽い毛織物のことで、正式には「フランネル」と呼ばれています。布は弾力性があり、お湯が浸透したコーヒー粉がよく膨らみます。起毛部分は適切にドリップする工程を促し、じっくり抽出できるのが特徴です。一般的に口当りがよく、いろいろなコーヒーのいれ方の中でも、もっともなめらかな味わいになると言われています。ネル自体の手入れ方法や、ドリップの技術が必要なので、コーヒー上級者向けと言えるかもしれませんが、一度マスターしておくと、かなりのコーヒー通と言えるでしょう。もちろん目指す味によるのですが、この方法こそがベストドリップだというマスターもとても多く、ネルドリップ一筋というこだわりの喫茶店も多くあるのです。

【抽出方法によって異なる味の特徴】

ネルドリップ
油分が比較的多く抽出されるため、新鮮な豆であればまろやかな味わいに

ペーパードリップ
ろ紙により、えぐ味や雑味、油分をカットでき、すっきりとした味わいに

サイフォン
ペーパードリップと比較すると、香りが際立ち軽やかな味わいに

エアロプレス
成分を引き出し、油分や雑味をカットしてバランスのとれた味わいに

いきなりドリップは厳禁!まずはコーヒーを受け入れる状態を整えてから。

さて、ここからは実際にネルドリップの方法を紹介しましょう。まずは用意するものから。

用意するもの


用意するもの:ネル、ハンドル、ネルドリップ専用サーバー、ケトル、コーヒー粉、お湯

最初にやるべきことは、ネルの糊を落としてからコーヒーといっしょに煮ること! この工程を踏まないと、コーヒーのおいしさを引き出すことができません。まず、流水で揉み洗いをしてください。糊を落とすことでネルを柔らかくして、次の工程でのコーヒーが馴染みやすくなります。次に、鍋の中にネルが浸るくらいの水とコーヒー粉を少量加えて20分ほど煮ます(1リットルの水に5グラムほどのコーヒー粉)。



ネルの煮出し


コーヒーが馴染んだら、流水で揉み洗いして余分なコーヒーを洗い流し、起毛面を外側にして固く絞り、水に浸して保存します。使用する際も必ず流水で洗い、固く絞ってください。また、ネルドリップのときにはなるべく専用のサーバーを準備すると、ネルを固定できるため、ドリップしやすくおすすめです。ドリップ自体は、通常のハンドドリップと変わりません。ゆっくりとていねいに「の」の字を描き、細いお湯を注ぐことをこころがけてください。ネルフィルターに直接お湯がかからないように注意しましょう。

保管にもこだわりが必要なネル。でもその手間こそが、コーヒー通を魅了する理由かも。

最後はネルの保管方法について。次回のドリップをおいしくするためには欠かせませんので、必ず行なうようにしてください。まずは使用の都度、流水でしっかり洗います。茶色の水が出なくなるまで洗い、しっかりと絞ってください。そして次がポイント!ステンレス製の容器などにネルが浸るくらいの水を入れ、空気に触れないようにフタをして冷蔵庫で保管します。また、容器の中の水を交換する必要があるため、毎日使わない場合はチャック付の袋に水といっしょに入れて(水枕のようにして)冷凍保管がおすすめです。

ネルの保管


洗剤をつかうと香りやせっけん成分がつくのでNG。天日干しも油脂が酸化して匂いが発生するのでNGです。とても手間がかかりますが、コーヒー通にとってはこの工程も幸せのひととき。次回の一杯をおいしい一杯にするための下準備は、この時からはじまっているのです。ちなみにネルドリップには寿命があります。起毛がなくなってきたら交換時。コーヒー通になってくると、何度か使いこんできた時こそが、ベストなドリップができるのだとか。そんな微妙な違いが分かるようになれば、正真正銘のコーヒー通と言えるでしょう。

保管にもこだわりが必要なネル。でもその手間こそが、コーヒー通を魅了する理由かも。

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