ちかごろ、デカフェを謳う商品が増えているのをご存知ですか?さまざまなメーカーからコーヒーや紅茶、緑茶などのデカフェ商品が発売され、コーヒーチェーン店のメニューでも見られるようになりました。

デカフェとは?

 いま話題のデカフェですが、そもそもデカフェとはいったい何のことを指すのでしょうか? デカフェ(英語:decaf)はdecaffeinated を略した言葉で、カフェインを除去した、という意味です。ディカフェ、カフェインレス、カフェインフリーとも呼ばれます。デカフェという呼び方より、カフェインレスやカフェインフリーの方がなじみ深いかもしれませんね。
 デカフェは、コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含んでいる食品や飲料からカフェインを取り除いたものを指しますが、コーラや栄養ドリンクなど、通常はカフェインを添加する食品や飲料にカフェインを添加していないもののことも含みます。一般に「デカフェ」と単体で呼ぶ場合には、デカフェコーヒーのことを指すことが多いようです。

 デカフェコーヒーやカフェインレスコーヒーと表示されているコーヒーについて、カフェインはどのくらいの残量まで許容されているのでしょうか?カフェイン残量基準については各国各地域によって異なり、EUではカフェイン残存率0.1%のコーヒーをデカフェコーヒーと位置付けているようですが、日本では、カフェインを90%以上除去したコーヒーを「カフェインレスコーヒー」、「カフェインフリーコーヒー」、「デカフェネイテッドコーヒー」などと表示することになっています。
 デカフェコーヒーは近年人気が高まっていて、2017年のカフェインレスのコーヒー生豆の輸入量が5年前の2012年と比較して2倍以上に増加していることからも、その人気がうかがえます。

デカフェとは?

デカフェを選ぶその理由は?

カフェインの効果とは
 カフェインには、覚醒作用や利尿作用をはじめ、血管拡張作用、胃酸を分泌する作用、交感神経を刺激し基礎代謝を促進する作用などがあることがわかっています。
 利尿作用はむくみを解消し、胃酸分泌作用は消化を助けてくれます。さらに、基礎代謝も促進されるので美容やダイエットに効果があるとして注目を集めています。
 主によく知られているのはその覚醒作用で、眠気や倦怠感、頭痛に効果のある薬の原材料としてもカフェインは使用されています。寝る前にコーヒーを飲むと眠れなくなる、とよく言われますが、それはカフェインの作用で、眠気に効く覚醒作用が関係しているのです。覚醒作用を謳った健康ドリンクやエナジードリンクにもカフェインは添加されています。

カフェインはたくさん摂ればよい?
 このような効果が期待できるカフェインも、たくさん摂ればよいというわけではありません。適切な量を心掛け、摂り過ぎないように注意が必要です。しかしながら、カフェインの受容性は人それぞれで大きく異なるため、日本ではカフェインの摂り過ぎという明確な摂取量、許容量は定められていないのです。
 コーヒーを日常的に飲む場合には、それぞれの人が飲みたいと思う量、飲んで心地よくなる程度の摂取であれば、カフェインの過剰摂取になることはないと言っていいでしょう。
 一方で、カフェイン入りのエナジードリンクやサプリメントなどの中には、効果を高めるために高濃度のカフェインが入っているものがあります。コーヒーを日常的に飲んでいる方がそのようなドリンクなどを摂取すると、カフェインの摂り過ぎになる可能性もあります。
カフェイン摂取が過剰気味と感じられている方に、デカフェが選ばれているのかもしれませんね。

デカフェと妊婦の関係
妊娠中のカフェインの摂取が胎児に影響がある、といったこともよく聞きますね。
 カフェインの摂取許容量は人により大きく異なると前段では述べましたが、イギリスやカナダにおいては、1日にマグカップ2杯程度(200~300㎎)がコーヒー摂取量の目安になっていますので、飲みすぎなければ大きな影響はないと考えられます。心配な方は、デカフェに切り替えてコーヒーをお楽しみください。

デカフェの作り方

まずはデカフェの製法を知る
 デカフェコーヒーがカフェインを除去したコーヒーだということはお分かりいただけたと思いますが、どのようにしてコーヒーのカフェインを取り除くのでしょうか?その製法について見ていきたいと思います。
 デカフェの製造方法に用いられるのは、主に脱カフェイン法で、焙煎前のコーヒー生豆からカフェインを取り除く製法です。脱カフェイン法は、カフェインを抽出する際に使用する溶媒の種類などに違いがあり、有機溶媒抽出、水抽出、超臨界二酸化炭素抽出、液体二酸化炭素抽出(液体CO2抽出)などがあります。それぞれの製法の特長を見ていきましょう。

有機溶媒抽出
 1906年にドイツで初めて脱カフェイン法が考案されました。その時に使われたのが有機溶媒抽出です。有機溶媒とは、水に溶けない物質を溶かす、常温常圧の状態で液体の有機化合物のことを指します。
 まず、蒸気で水分を十分にコーヒー生豆に含ませたあと、そこに有機溶媒を通すことで、水と油のような2層が出来上がります。カフェインは水にはあまり溶けないのですが、溶けやすい有機溶媒を使うことで、有機溶媒にカフェインが溶け出し、コーヒー豆からカフェインが除去されます。
 低コストでカフェインを除去できるのが特長ですが、カフェイン以外の成分や香りが水に溶けだして除去されてしまうので、通常のコーヒーより風味が劣ると言われています。
 また、脱カフェイン法で使用される有機溶媒は人体への影響があるため、日本では、有機溶媒抽出によるデカフェコーヒーは流通が禁止されています。


水抽出
 水抽出は1941年に開発された製法です。有機溶媒抽出では、カフェイン以外の成分や香りも水に溶けだして風味が悪くなりますが、水抽出法はそれを補う抽出法となっています。
 水抽出にはさまざまな方法がありますが、水抽出の一つの方法として名前が挙がるスイスウォーター製法やマウンテンウォーター製法については、カフェイン以外の水溶成分が飽和状態になった水にコーヒー生豆を浸すことでカフェインだけを水に溶けださせ、抽出する方法をとっています。有機溶媒を使用しないため、水抽出の中でもより安全な方法といえるでしょう。日本ではこちらの方法でカフェインを抽出したコーヒー豆が主に使われており、安全性に配慮されています。


超臨界二酸化炭素抽出
 超臨界二酸化炭素抽出は、気体と液体の間である超臨界流体の状態にした二酸化炭素で成分を抽出する方法です。デカフェでのカフェイン抽出に使われるようになったのは1974年からと、ほかの製法に比べて比較的新しい方法となっています。
 二酸化炭素に一定以上の圧力と温度を加えることで、コーヒー生豆への浸透と、カフェインの抽出・除去が効率よく行える方法です。また、有機溶媒は人体に有害な物質なのに対し、二酸化炭素は無害なので、安全にカフェインを除去することができます。
 水抽出と比べてコーヒー豆へのダメージが少ないため、風味をあまり損なうことなく、本来のコーヒーに近い味わいを楽しむことができます。


液体二酸化炭素抽出(液体CO2抽出)
 先ほどご紹介した超臨界二酸化炭素抽出と同じように、二酸化炭素を使ってカフェインを抽出する方法です。両者の大きな違いは、コーヒー豆に加えられる温度と気圧で、液体二酸化炭素抽出の方がコーヒー豆にとってやさしい方法になっています。液体二酸化炭素抽出法が、現在では最もコーヒー豆にダメージが少なく、風味の減少も最小限にとどめたデカフェ製法と言えます。


カフェイン含有量が少ないコーヒーノキを開発、育種
 一方、カフェイン抽出による品質劣化や追加工程を経ることなくデカフェ製品を製造するため、カフェインを含まないコーヒーの育種が試みられています。カフェインの含有量が通常のコーヒーより少ないものは、遺伝子組み換えによるもの、従来からの人工交配によるもの、どちらも育種に成功しています。また近年、カフェインの含有量が従来の50%程度の天然のコーヒーノキが発見され、現在商品化されているものもあります。
 しかし、カフェインレスと表記できるような、従来と比べてカフェインを90%以上含まないコーヒーノキの育成には課題が多く、実用化はしていません。

デカフェの味について

デカフェとタンニン
 コーヒーの代表的な苦みや渋みは、タンニンがもたらしています。焙煎豆には約1.2~1.3%、コーヒー1杯あたり0.25gのタンニンが含まれています。
 デカフェはカフェインの抽出方法によって、味、風味に物足りなさを感じる商品もありますが、デカフェ処理前と比較すると風味が優しくなるという評価もあります。また、超臨界二酸化炭素抽出や液体二酸化炭素抽出といったカフェインの抽出技術の向上に伴って、デカフェコーヒーはコーヒー本来の味に近づいています。

デカフェの味について

終わりに

 日々の健康を気遣っている方や妊娠中や授乳中の方も、就寝前にも、デカフェならカフェインを気にすることなくいつものコーヒータイムをお楽しみいただけます。夜のリラックスタイム、デカフェで一息いかがですか。

終わりに

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