コーヒー豆の種類や味・香りの特徴とは

「聞いたことがある(有名な)種類」
「なんとなく美味しそう」
このような理由からコーヒー豆を選んでしまっていませんか?
コーヒー豆の味や香りは、豆の種類や原産地によっても異なります。優雅なコーヒータイムをより充実させるためにも、この機会にコーヒー豆についての知識を深めていきましょう。今回は、コーヒー豆ができるまでの過程や、種類ごとの特徴を分かりやすくご紹介します。

コーヒー豆ができるまで

◇コーヒー豆とはそもそも何?




コーヒー豆とは、アカネ科の常緑樹である「コーヒーノキ(コーヒーの木)」から収穫される「コーヒーチェリー(果実)」の種子部分を指します。コーヒーノキは野生で最大10mもの樹高に成長しますが、栽培・収穫を目的とした農園では1.5m~2mに剪定して管理するのが一般的です。


また、コーヒー豆を収穫できるようになるまでは発芽から2~3年の歳月を必要とします。コーヒーチェリーの外果皮や果肉部分を取り除くとコーヒーの生豆を収穫でき、生豆には平豆(フラット・ビーン)や丸豆(ピーベリー)などが入っています。

◇コーヒー豆の原産地



コーヒーの栽培は南北回帰線(北緯、南緯が25度)に囲まれた「コーヒーベルト」と呼ばれるエリアで行われています。これは、コーヒーノキの栽培に、雨、日当たり、温度、土質の4つの条件が整う必要があるためです。コーヒー豆の原産地はこうした条件が整った世界各国に位置しており、代表的な原産地としては以下の国や島が挙げられます。

・エチオピア
・ケニア
・タンザニア
・インド
・ベトナム
・スマトラ島
・ジャワ島
・パプアニューギニア
・ハワイ
・メキシコ
・グァテマラ
・コスタリカ
・コロンビア
・ペルー
・ホンジュラス
・ジャマイカ
・ブラジル

◇コーヒー豆ができるまでの過程



コーヒー豆が私たちのもとへ届くまでには、長い年月と手間暇がかけられています。コーヒー豆ができるまでの過程を見ていきましょう。



1.種まき~収穫



コーヒーノキは種まきから1ヵ月前後で発芽し、植え替えを経て成木へと成長します。開花・結実後に完熟したコーヒーチェリーは機械や人の手で収穫され、脱肉をして「パーチメントコーヒー」となります。

2.乾燥~選別




パーチメントコーヒーに残った水分を天日やマシンで乾燥させます。乾燥後は脱殻した生豆(グリーンビーンズ)を、大きさ、形、比重などの条件からグレード分けを行います。

3.輸出(日本に到着)




日本に到着したコーヒーの生豆は、通関時、倉庫保管時などあらゆる地点でカップテストと呼ばれる味覚検査が行われます。検査を通ったものは工場で再度選別されます。

4.焙煎~粉砕




産地やグレードによって分類されている生豆を、それぞれの特性に合わせて焙煎します。焙煎後は味や香りを劣化させないよう摩擦熱を抑えて粉砕し、専用コンテナで保管します。

5.包装~出荷




酸化を防ぎ、味や香りなどの品質を保ちながら包装します。包装方法は、真空包装、窒素置換包装、脱酸素剤入り包装から用途に適した方法が採用され、ケース梱包されたのち、全国に出荷されます。

コーヒー三大原種 アラビカ種・カネフォラ種・リベリカ種

コーヒー豆の種類が異なると、味や風味が変わることは多くの方が知っていますよね。しかし、コーヒーの味を決める要素は必ずしも豆の種類だけとは限りません。ここでは、コーヒーノキの種類(原種)による違いをご紹介します。
コーヒーノキには多くの種類が存在していますが、現在は「アラビカ種」「カネフォラ種」「リベリカ種」の3種類がコーヒーの三大原種と呼ばれています。なかでも商業的に栽培されやすいのは「アラビカ種」と「カネフォラ種」です。「リベリカ種」は主に栽培地域のみで消費されています。それぞれの特徴を以下で見ていきましょう。

コーヒー三大原種の特徴


※生産量…世界の全コーヒー生産量における割合



◇どのような種類のコーヒーに合うの?

コーヒー豆の原種の特徴を知ると、味や香りの特徴から自分好みのブレンドコーヒーを楽しむことができます。 たとえば、酸味が少ないカネフォラ種のコーヒー豆を多く選ぶと、コク深いアイスコーヒーに適したブレンドとなるでしょう。反対に、甘い香りと適度な酸味のアラビカ種を多く選べば、ミルクや砂糖によく合うマイルドなブレンドとなります。 これを踏まえて、次はコーヒー豆の品種の特徴を見ていきましょう。

代表的なコーヒー豆の産地一覧

コーヒー豆のブレンドを楽しむ際は、酸味、苦味などのバランスを考えながら2、3種類の豆を使うのが一般的です。ブレンドのルールを詳しく知りたい方は、「コーヒーの豆知識-コーヒーの種類とブレンド-」を参考にしてみましょう。

まとめ

・コーヒー豆とは、コーヒーノキになるコーヒーチェリーの種子
・コーヒー豆が栽培されるのは赤道直下のコーヒーベルトエリア
・コーヒー豆ができる過程にはたくさんの手間がかけられている
・コーヒー豆の三大原種は「アラビカ種」「カネフォラ種」「リベリカ種」
・コーヒー豆のブレンドは酸味、苦味などのバランスから2、3種類を使うのが一般的

コーヒー豆は、原産地や品種による味の違いはもちろん、焙煎度合いやブレンドの比率によっても異なる味を楽しむことができます。この機会に、厳選されたコーヒー豆からあなただけのコーヒー豆やブレンドを見つけてみてはいかがでしょうか?